間口4.5M、奥行き40M、大通りに面した長細い４階建てビルです。

改修前の問題として、生活空間の狭さ、収納場所の少なさなどの問題がありました。現況の平面プランでは、奥行きの中ほどに光庭（３～４階に吹き抜けている）がありますが、それと８畳の和室・廊下が隣接、さらにその和室にダイニングキッチンが隣接・・・というように、部屋が細切れに繋がっており、光庭が生活空間にうまく溶け込めていない状況でした。一方利用形態として、ＥＶホールからすぐの応接間、その上階の作業スペースは、個人利用だけでなくお仕事でのご利用も考えていらっしゃいました。

以上より、和室８畳と廊下の一部、そしてダイニングキッチンを合わせて、ＬＤＫを一室とすることで、生活の拠点となるＬＤＫを一番広く取り、生活の中心に採光と通風が行き届くようにしました。キッチンはアイランド型を採用。奥行きを強調することで、広さを感じさせる計画としました。インテリアはお施主様との打合せでピンクを基調する一方、自然の要素として木質調の内装をポイントとして取り入れました。また、寝室、ＬＤＫにおいては壁面収納を設置し、収納量を増やすだけでなく、取り出しやすさと片付けやすさ、整理のしやすさについても考えました。

応接室においては、おもてなしの空間としてはもちろんのことですが、なかなか自然の要素を取り入れ難い平面プランの中で、どこかで「庭」となる要素があればとの思いから、木と石、そして創作左官による壁を取り入れ、枯山水のような一室を実現しました。

（改修前の写真と図面は掲載しておりません。）（文責・橋本華名）